香念寺では一年を通じて六回の恒例行事(施餓鬼・弁天様・七月お盆・八月お盆・お十夜・別時念仏会)を行っています。それぞれに大勢の檀信徒の皆様にお参りいただき、盛大にお勤めしております。
施餓鬼会
毎年4月27日
年中行事の中で最大の法要、施餓鬼会(せがきえ)。お施餓鬼(せがき)とも言いまして、飢えと渇きに苦しむ世界に堕ちた者たちへの施しを通じ、その善き行いによる徳をご先祖供養へと向ける法要です。「地獄・餓鬼・畜生」の三悪道のうち、地獄に次ぐ苦しみの世界が餓鬼界、口から火を吹いて食べ物が燃えてしまい、のどが細く物を飲み込めない餓鬼たちが、癒しを得られるようお勤めいたします。
香念寺では昭和六十一年に本堂の落慶法要を行った四月二十七日にお施餓鬼の日を定めています。例年、午後一時からの御法話に二時からの法要、三時過ぎにはお塔婆を皆様それぞれのお墓におあげいただいております。なお、四月の施餓鬼会・十一月の十夜会におきましては浄土宗葛飾部内御寺院様に御随喜を賜りまして法要を執り行います。
弁天堂御開帳
6月上旬の日曜日
香念寺境内には弁天様をお祀りする祠(ほこら)があり、年に一度扉を開け、綺麗にお飾りしてのご開帳法要をお勤めします。ご志納頂く赤いのぼり旗が青葉に映える弁天池前にて、初夏の風を感じながらご参列いただきます。
弁天様は七福神の紅一点、元々「弁才天」(才能の”才”)というお名前の通り、学問、芸術、音楽の神様でした。そのうちに「弁財天」(財宝の”財”)となり、ご家庭がお金のことで困らないようお願いするようになったとのことです。いずれにしましても、皆様それぞれの幸せをお祈り頂く行事として開催いたしております。
読経後には、毎年ご好評頂いております百円市の他、講師の先生をお招きしての自力整体教室、ボイスセラピー講座、チベット体操教室等を特別企画として行っております。
盂蘭盆会合同供養
7・8月各お盆期間の一日
お盆期間(13~15日)に日を定め、七月は午前・午後の二回、八月は午前一回の法要を行います。この時期特有のお飾り(精霊馬、水の子、青物飾り等)のお話をした後、各ご家庭のご先祖様をお迎えするため、檀信徒の皆様ご一緒にお勤め致します。当日はご自宅のお仏壇からお位牌をお持ちいただき、本堂の前机に並べていただきます。
盂蘭盆会(うらぼんえ)については墓所にご納骨をされている檀信徒様宛にご案内を発送します。合同供養の他に、お家に伺い、お仏壇の前でお勤めする「棚経(たなぎょう)」もご希望に応じて行っております。
また行事に際しまして、毎年作成する香念寺オリジナルのうちわをお一人お一人にお配りしています。
十夜会
11月上旬の土曜日又は日曜日
秋の一大行事、お十夜(じゅうや)。十夜会(じゅうやえ)とも呼び、「迷いの世界における十日十夜の善行は、心安らかなお浄土での一千年の修行に値する」という経典の言葉に従いお勤めする、浄土宗特有の法要です。十日間が更に短縮され、室町時代に後土御門天皇より勅許された大本山鎌倉光明寺様では四日間、一般寺院におきましては通例一日を定めて法要を営みます。
春のお施餓鬼が「反省」の法要なら、秋のお十夜は「感謝」の法要。一年の無事と秋の実りに感謝申し上げ、尊いご縁により生かされる命と思い起こしてお念仏をお称えします。
お施餓鬼と同様、午後一時からのご法話に二時からの法要、法要に際しましては葛飾部内御寺院の皆様に御随喜いただいております。
別時念仏会
毎年2月10日
特別に時間を定めてお念仏をお称えする法要を別時念仏会(べつじねんぶつえ)と申します。平成十二年二月十日に遷化した当山第二十四世住職、戸松信康上人の祥月命日にちなみ、お念仏の会をお開きしています。新年最初の行事におきまして、本尊阿弥陀如来前に対し、一日一日を大切にお迎えすることを心新たにお誓いいただきます。
なお平成二十七年同日朝には、総本山知恩院様より国宝御影堂、八万五千枚の古瓦のうちの一枚が届きました。御影堂は工期約十年、平成三十一年完成予定の修繕を行っておりまして、その工事に対する香念寺からの寄進への感謝の印として「永久貸与」という形でお送りいただきました。信康上人は知恩院にて布教師のお役をお勤めしていたため、命日からちょうど十五年を経た当日、祖山様の瓦が香念寺へと到着したことには不思議なご縁を感じます。